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2022年6月7日火曜日

ラクイラのサフランの産地、ナベッリでは、ミラノ風リゾットができたのはナベッリからミラノに行った職人の母親のおかげという話が、かなり出来上がってた。

ロンバルディアでサフランを栽培したいという農家の強い願いが実現しつつある、という現実を知ってびっくりしましたが、イタリアでサフランの産地として知られるのは、アブルッツォやサルデーニャなど。
サルデーニャは雨が少ない乾燥した気候。サルデーニャの有名な作り手は、サフランをきれいに摘むように、摘む時に手にオリーブオイルを塗るのだそうです。

サルデーニャのサフラン

サフランは、色とデリケートなアロマを楽しむ食材。
湯やブロードに香りが飛ばないように数秒浸して料理の最後に加えます。
粉のサフランは外国産などの崩れたサフランから作るので品質が落ちます。
トルコのイスタンブールの市場では、イタリアよりかなり安くサフランを売っているそうですが、品質もあきらかに違うそうです。

アブルッツォのラクイラのサフランは、1g中に色と香りを活かすためにゆっくり乾燥させた150〜170個のクロッカスの花のめしべが入っているそうです。湯かブロードに数分浸して色と香りを溶かしますが、サフランのリゾットの場合はレモン汁で溶いてもいいそうです。

アブルッツォ人がアブルッツォのサフランの本場、ラクイラのナベッリ高原でサフラン料理を食べる旅。
ラクイラのサフランは世界一で、リゾットミラノ風もここで生まれたんだよ、と誇らしげに語っています。ふるさと愛が強いかの国の人なら、そんな説が生まれても不思議じゃない、と思っていたら、かなり出来上がった話でした。
ミラノのドゥオモ造りに参加するためにナベッリから寒いミラノに息子たちが行くことを心配した母親が、サフランを包んだハンカチを息子の荷物に入れて持たせ たのでした。息子たちはあまり料理が得意ではなく、冬の日に、いつも白いお米のミネストラを作っていたのですが、ある日、ここにサフランをいれてみたのだそうです。こうしてミラノの市場な有名な料理、ミラノ風リゾットは出来上がったのでした。



リゾッタートの製法で作るサフランのパスタMezzemaniche allo zafferano


材料/1人分
グラニャーノのメッゼマニケ・・100g
サフラン・・1袋
新葉玉ねぎ・・1本
塩・・多くて小さじ1/2
バター、チレント産(カンパーニア)EVオリーブオイル・・大さじ2
パルミジャーノ、粗挽き白こしょう
シブレット

・鍋に湯を沸かす。あと2つフライパンを用意する。
・湯が沸騰したらフライパンの1つに油大さじ2を入れて葉玉ねぎの薄切りをソッフリットにする。
・サフランのブロードを作る。湯には塩とサフランを加える。
・葉玉ねぎにサフランのブロード少々を加えて煮る。
・もう一つのフライパンを熱してメッゼマニケを炒める。サフランのブロードをかけながらリゾットの要領で煮る。水気が飛んだらブロードをかけてパスタが柔らかなるまで煮る。水気を飛ばしながら煮るので湯で汁の塩は少量にする。
・葉玉ねぎの水分が飛んだら煮上がったパスタに加えて混ぜる。
・バターとパルミジャーノでマンテカーレする。仕上げに白こしょうをかけてシブレットを散らす。

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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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2022年6月6日月曜日

スぺイン語ではバターはマンテカ。これはリゾットに欠かせないマンテカーレのテクニックがスペインから伝わったことを意味している。

それではサフランのリチェッタです。
ヨーロッパ料理的には、フランスのブイヤベース、スペインのパエリヤ、イタリアのリゾット・ミラネーゼが、サフランを使う三大料理。

リゾット・ミラネーゼ。

この料理にリゾットが入るようになったいきさつは、有名な言い伝えとなって残っています。それは、16世紀にミラノのドゥオモのガラス工の親方が、ガラスの色づけのためのサフランを、うっかりお米のミネストラの中に落としてしまった、というもの。この話はかなり有名で、イタリアに初めて行った時の私でも知っていました。
だから、ミラノのドゥオモに行ったときは、壮大なステンドグラスを見上げながら黄色を探して、これがサフランの色かあ、なんて思ったものです。

ミラノのドゥオモのステンドグラス。

でも、見てるうちに、この教会の荘厳な雰囲気とガラスから差し込む光によって、ステンドグラスの黄色は神々しく輝いているということに気が付きます。
さらに、ミラノの街で初めてオッソブーコを食べたとき、横に添えられているリゾット・ミラネーゼの存在感とミラノのリゾットのおいしさに気が付きました。軽いショックを受けるくらい気に入って、それ以来、私にとってこの料理の主役はリゾット、となり、ミラノに行くたびにミラノ風リゾットを食べ歩いたのでした。


ミラノ風リゾットの主役はもちろん、米。
イタリア料理界のリーダーはミラノのリーダーでもあることが多いですが、最近の若手のリーダー、ダビデ・オルダーニシェフはミラノ出身。
彼はミラノ風リゾットの誕生について、下記の本でこう語っています。
米とサフランの組み合わせは、ミラノを長いこと支配していたスペイン人から伝わった。スペインからはマンテカトゥーラmantecaturaの技術も伝わった。スペインでは“manteca”は“バター”の意味だ。
これはミラノ人がリゾットの極意を発見する前にリゾットが伝わったことを証明している。
リゾットのマンテカトゥーラ。

今月の(CIR)は、マッシモ・ボットゥーラシェフに続いて彼の特集です。
さらに、彼のイタリア地方料理の本、メイド・イン・イタリー

には、
“リゾットを造るには主役の食材、つまり米の品質が重要だ”とあります。
乾麺のパスタは北イタリアでは第二次大戦以降に広まった食べ物で、それ以前は米が主役でした。つまりミラノ風リゾットは、戦後に普及した、ということですね。
さらに、昔はアルボーリオArborio米が一般的だったが、これは現在のアルボーリオ米とは違う。スーパーで売っているような米ではなく、粒が締まってもっと腰があった。ともあります。
少し前から、アルティジャナーレなカルナローリCarnaroli米が普及するようになったが、ビアローネ・ナノVialone Nanoも品質がよい米だ。ミラノではこの米をリゾット用、と呼んでいる。と書かれています。
どうやら、カルナローリ米が普及する前と後では米の品質も違っていたようです。
昔はイタリアでは米は粒の大きさで分類していて、味の特徴はあまり明確になっていなかったようです。
アルボーリオはビアローネとアメリカの品種の米を交配して作りだされました。
そして大資本によって宣伝され、広まっていきます。

それでは本から、彼のリチェッタを訳してみます。

材料/
スーペルフィーノ・カルナローリ米・・300g
玉ねぎ・・1/2個
牛の骨髄・・40g
野菜のブロード・・1ℓ
バター・・60g
サフラン・・1袋
白ワイン・・1/2カップ
EVオリーブオイル

・油とバターで玉ねぎのみじん切りと骨髄をソッフリットにし、焼き色が付いたら米を加えて2分炒める。
・レードル1杯の沸騰したブロードでサフランを溶き、米にかける。米がブロードを吸ったらブロードをかけて混ぜながらリゾットに煮る。(約18分)
・バター少々と下したパルミジャーノでマンテカーレして熱々をサーブする。

オルター二シェフの超オリジナルなミラノ風リゾット。
彼のぶっ飛んだ感性を理解するのは、かなり難しい。
サフランは乾燥させないように冷蔵庫で保存する、と言ってます。
ちなみに(CIR)の記事(P.14)にもありますが、彼が使っているサフランは、地元ロンバルディアのコモ湖のほとりのメーカーのもの。
このメーカーのサフランはおしべが3本根元でつながっていて、サフランを傷めないアルティジャナーレな製品であることがわかります。ホイッバーやフォークで混ぜると崩れるので使いません。鍋をゆすって混ぜます。色は溶け出すけど、サフランは美しい姿のままです。
下の動画のリゾットに渦巻き状にかかっている黄色いソースが、サフランのソース。水とサフランだけで作ってコーンスターチでつなぎます。しかもサフランは長いまま。彼のリゾットは、玉ねぎのソッフリットもバターも使いません。
サフランのこんな使い方、初めて見ました。
・サフランのソースの材料は、水15ml、塩少々、砂糖少々、サフランの雄しべ0.5g、コーンスターチ10g。
・湯を熱してコーンスターチを少しずつ溶き、火から下して粗熱を取る。70~65℃程度。
・サフラン、砂糖、塩を加える。

次はリゾットですが、米は18か月熟成させた上質のカルナローリ米です。

オルダーニシェフが使っているのは下の動画のサフラン。2013年にコモ湖畔でイタリアで最初の135本のクロッカスを栽培したところ、気候と土壌に恵まれて翌年には8000個の球根ができたという、サフランの品質はイタリアやスペインでも最高という評価。イタリアンドリームを実現させたメーカー。

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2022年6月5日日曜日

値段の安いスペイン産サフランに対抗するために、ラクイラの生産者は組合を作って団結し、厳しい生産基準を課して世界一の品質というEUのお墨付きを獲得した。

サフランのお題に突入しました。
世界のサフランの90%はイラン製。
イタリアは年間450~600㎏生産されていますが、EUで定められた方法に基づいて、手作業で行われています。
具体的には特徴が失われないように、花が開く前の夜明け直後に花を1個ずつ切り取り(スペインでは花が開いてから摘み取ります)、摘んだその日のうちにおしべとめしべを取って網に乗せ、炭で弾力を失わない程度に乾燥させます。
サフランは天日で干すんじゃないんですね。薪はアーモンドやオークが最高、と言われています。
1㎏あたり100万円近い値が付き、1ヘクタールの畑からは乾燥させた飯しべが約8㎏採れます。
栽培や収穫のほとんどが手作業で、サフランの栽培が始まった数千年前から同じ方法で造られています。アルティジャナーレな食材です。

イタリアを代表するサフランの産地、アブルッツォのラクイラのサフラン。

ラクイラのサフランのライバルは値段の安いスペイン産だそうです。存続の危機に陥ったようですが、ナベッリ高原のサフラン生産者は協同組合を結成し、香りが10年もつラクイラのサフランの品質は世界一、と自信を強めて生産を続けました。でも、現在の生産量は高原全域でわずか40㎏。

ラクイラのサフラン栽培の中心地、ナベッリ高原のサフラン。

サフランはとても高価で特殊な食材、ということで、日本にもそんな食材があることを思い出しました。ワサビです。一獲千金を夢見て世界中の農家がわさびの栽培に挑戦しましたが、そんなに簡単に作れるもんじゃない。こういう食材の栽培には、地域の協力や強い情熱、知識、妥協しない継続が欠かせないですよね。
値段の安い外国産のライバルとの競争に勝ち残るために、イタリア各地で繰り返されている戦いなんだろうなあ。

次回はリチェッタです。


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2022年6月4日土曜日

マルコ・ポーロがオリエントに運んで絹と交換されたラクイラのサフラン。

今日はサフランの話です。
私がサフランに初めて出会ったのは、たぶんインド料理ですが、初めて知った食材としてのサフランはイタリア製でした。
なので、私の中ではサフランと言えばイタリア産です。
だからヨーロッパではサフランはスペイン産が有名、と聞くと、ちょっと意外でした。
スペインではラ・マンチャ地方がサフランの産地として有名。
サフランと言えば黄色ですが、その花は青紫色で、満開になるとサフランの畑はとても美しく染まります。

ラ・マンチャのサフラン。

イタリアでサフランと言えば、アブルッツォ、トスカーナ、ウンブリア、サルデーニャ産あたりが有名。今月の(CIRP.13)にもあるように、イタリアの人は、イタリア産サフランは世界一、と考えているようです。
サフランはクロッカスの雌しべで、小アジア原産。アラブ人によってスペインに伝えられ、10世紀末にはヨーロッパ全体に広まりました。
ただ、雨の多い北部には普及しなかったようです。
サフランの語源はアラビア語の“ザーファラン”。その語源はペルシャ語の“サハファラン”。その語源は“アスファル”、「黄色」ということだそうです。
昔は染料として化粧品などに使われていましたが、現在の主要な使い方は料理です。

中世のトスカーナでは、サン・ジミニャーノがサフラン栽培の中心地でした。「塔の街」と呼ばれるサン・ジミニャーノではサフランの商売で「塔や館が高くなる」、と言われました。

世界遺産の街、サン・ジミニャーノ。


サン・ジミニャーノのサフラン。

同じころ、アブルッツォのラクイラもサフランの生産が盛んになりました。アブルッツォのサフランはマルコ・ポーロによってオリエントに運ばれ、最高級品、という評価を獲得して絹などの貴重品と交換されました。
高級品だったので、偽物を造ると火あぶりや生き埋めの刑になったことが記録に残っているそうです。

ラクイラでは、2009年にマグニチュード6.3の地震が発生して多くの被害が出ました。

ダイヤより高価だったサフランの話、次回に続きます。


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2022年6月3日金曜日

お母さんのパスタのゆで方が絶対なイタリアで、パスタのゆで方が変わるかどうかは、ママたちにかかってるかも。

今日のお題は、パスタのゆで方。
どのゆで方を選ぶかによって、出来上がる料理まで違ってきます。
トマトソースのパスタの場合、トマトを小さく切る派とミキサーにかける派で大きく2つに別れます。
ミキサーにかける派は、調理時間を短くしたい人。ちなみに、対極にあるのが肉のソース。リゾッタートはトマトの水分でパスタを煮る方法。
さらにミニトマトはトマトをフライパンで炒めて使う調理時間が短いトマト。
(CIR8月号)のトマトソースのスパゲッティ(P.34)のリチェッタには、ミニトマトをローストして油と一緒にミキサーにかけてクリームにしたパスタ、ミニ黃トマトのマリネと黃トマトのクリームのソースで赤みが一切ない黄色いパスタ、フレッシュトマトとドライトマトのソース、とミニトマトとトマトのクリームというソースにアレンジを加えています。

ドライトマトのリングイーネLinguine ai pomodori secchi 
カラブリア料理です。

材料/
リングイーネ・・400g
オイル漬けドライトマト・・100g
にんにく・・2かけ
赤唐辛子・・1本
イタリアンパセリ・・1束
ドライオレガノ
バジリコ
ドライトマトの漬け油・・大さじ4、塩

・フライパンにドライトマトを漬けた油大さじ数杯、にんにくの薄切り、粗く刻んだドライトマトを入れて塩味を見る。
・パスタをゆでる。
・ドライトマトのフライパンを火にかけ、ちぎったバジリコ、オレガノ少々、唐辛子1/2本の小口切りを加えて弱火で熱する。
・パスタとゆで汁少々を加えてよく混ぜ、イタリアンパセリのみじん切りを散らす。

トマトのパッサータ(ピッチェリッロPiccerillo) のグラニャーノのスパゲッティ。

・にんにく1かけと生赤唐辛子少々をみじん切りにする。
・スパゲッティをゆでる。
・フライパンに油、にんにく、唐辛子をさっと熱し、パッサータを加えて長くて5、6分熱し、塩を加える。
・5分ゆでたパスタを加え、混ぜてデンプンを溶かしながら煮て最後まで火を通す。パスタのゆで汁少々とバジリコを加える。

これはグラニャーノのパスタとナポリのトマトのパッサータで、鍋ではなくフライパンで仕上げるゆで方の、ナポリ人自慢のトマトソースのパスタです。

フライパンで仕上げる方法は、リゾッタータrisottataと言います。
さらに、コットゥーラ・パッシバcottura passivaと、コットゥーラ・ア・フレッドcottura a freddoというゆで方もあります。

パッシバは受け身、という意味。どうもこのあたりが曖昧なんです。
一応、一番わかり易い解説は、スローフードのスクオラ・ディ・クチーナシリーズ

『パスタ・エ・スーゴ』

の説明。


下の動画はパスタ・パッシバを説明していますが、デンプンのゲル化の話あたりから、なんのこっちゃ、わからない。

『パスタ・エ・スーゴ』は、パスタをゆでる時に、ゆで汁を常に沸騰させておく必要はない、という説明。これはわかる。

パスタの基本がよく分かるもう1冊の本、『パスタ・レボリューション

によると、パスタのゆで方は、イタリア人は、子供の頃、お母さんがこうやっていた、という方法を、大人になっても頑なに信じているそうです。
理系に弱いお母さんだと、ずっーと鍋にたっぷりの湯を沸騰させ続けなさい、と教えるだろうなあ。
今後、イタリア人がどの方法でパスタをゆでるのかは、イタリアのお母さんたちにかかっているのかも。


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2022年6月2日木曜日

パスタをゆでる時はでんぷんがポイント。リゾッタータはサステナブルなパスタの象徴。

トマトがイタリアに広まったのは、比較的歴史が短いのはよく知られた話。
(CIR)8月号の“トマトのスパゲッティ”の記事によると、トマトのスパゲッティをイタリアの家庭に広めたのは、度々登場する統一イタリア料理の父、ペレグリーノ・アルトゥージかも知れない、そうです。
この記事によると、トマトソースとパスタの理想の組み合わせは、太さが1.7㎜、ゆで時間が8分の麺だそうです。この太さの麺をこの時間ゆでると溶け出すでんぷんの量が理想的になるそうです。
量産型のパスタはテフロンのダイスを使っているので断面がつるつるで、アルティジャナーレのブロンズのダイスを通したパスタと違って、でんぷんが溶け出しません。
表面がざらざらでソースがよく絡み、ソースにはでんぷんのとろみが加わってつながる、というわけです。
美味しいパスタには欠かせない条件ですが、イタリア産パスタでないと、コストがかかるこの現象にこだわったパスタ作りは、残念ながらしないですよね。
でも、イタリアの食文化はアルティジャナーレな製品を尊重するので、みんな舌が肥えている。いいものはコストがかかるというのが当たり前。安ければいい、という発想は強くない。

バリラの新製品はその名もアル・ブロンゾ(ブロンズのダイスを通した)


ブロンズとテフロンのダイスの違いを検証する動画。
両者の違いは一口食べると明確に違います。あと、アップにしてもよくわかるので、テフロンのダイスを通したパスタにレトルトのパスタソースをかけて美味しそうな演出をするのは逆効果。


さらに、太さ1.7㎜の麺に合わせるトマトは、果肉の甘味が一般的なサン・マルツァーノの場合だそうです。
甘酸っぱさが強いトマトの場合は、麺の太さは1.9~2.1㎜必要で、ミネラル分が強いピエンノロ・デル・ベズビオの場合は2.3㎜必要だそうです。

ピエンノロ・デル・ベスビオ。

ちなみにミニトマトを使ったトマトソースのパスタの代表は、
ナポリのパスタ・アル・スカルパリエッロPASTA ALLO SCARPARIELLO

靴代をチーズでもらったナポリの靴屋が考え出したと言い伝えられているパスタ。
材料/2人分
ピエンノロ・デル・ベズビオ・・300g
バジリコ
にんにく・・1かけ
生唐辛子・・1本
ペコリーノ・ロマーノ・・30g
パルミジャーノ・・30g
アルティジャナーレのリングイーネかスパゲッティ・・200g

・にんにくと油、バジリコの茎をソッフリットにする。
・パスタをゆでる。
・にんにくとバジリコを取り除いてトマト(皮をとってもよい)を加えて潰す。
・手でちぎったバジリコと塩を加える。
・アルデンテにゆであがったパスタを加えてマンテカーレする。
・火を止めてパルミジャーノを散らす。ペコリーノでもグラナ・パダーノでもよい。

細いパスタや断面が四角い麺には、チェリートマトやダッテリーニのようなデリケートな甘い味で酸味が少ないトマトが合うそうです。

短時間でゆであがるスパゲッティーニは、ゆでている間に吸い込む塩の量が少ないので、それも考慮して調味します。

麺をゆでるというと作業に関して、日本人はイタリア人と比べると素人だなあ、と最近はよく気が付きます。特に、麺をゆでることはでんぷんをゲル化するという発想が日本人には欠如しています。
でんぷんは生では消化できないので、消化吸収できるように加熱する必要があります。
そもそもパスタをゆでるのはこのためなんです。
でも、でんぷんのゲル化には、沸騰させ続けた湯でグラグラゆでる必要はありません。
麺のでんぷんを愛するイタリアでは、近年でんぷんの研究が進み、パスタのゆで方にも変革が訪れています。
以前にも書きましたが、私たちが知っているパスタのゆで方は、今のイタリアでは“伝統的”、と言われる、一時代前の方法なんです。たっぷりの水をぐつぐつ沸騰させながらゆでて、ゆで汁を全部切る方法は、ガス代や水道代的にもサステナブルじゃないですよね。

今どきのパスタのゆで方。


リゾッタータで作るトマトソースのパスタ。

pasta risottataパスタ・リゾッタータ

・鍋に湯を沸かして火から下す。
・アルミ鍋で油と玉ねぎのみじん切り少々をソッフリットにする。
・やや大きな鍋を火にかける。
・ソッフリットに皮をむいて小角切りにし、水気を切ったトマトと塩を加える。
・あらかじめ沸かした湯少々を加えて沸騰させ、パスタを直接入れて再沸騰させる。
・リゾットの要領で湯を少量ずつ足しながら煮る。

リゾッタータよりもっと新しいゆで方は、コットゥーラ・パッシバ。これは理系でない私は理解するのに時間がかかるので、詳細は次回。



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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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2022年6月1日水曜日

ミント風味の夏のパスタと野菜

今日のお題は真夏のパスタ、その2。
トマトとミントのパスタです。

パスタはメッゼ・マニケ。半袖という、名前からして夏向き。
そもそも修道士の夏服のイメージから作られたパスタです。
きのうのカラマラータと同じ筒状のパスタですが、かなり小型です。
メッゼマニケ↓

修道士がでんな夏服を着てるかなんて、考えたこともなかった。宗派によって服装は違うようだけど、これは冬服かな?

ラツィオのモンテロトンドの中世のコスチュームでパレード。

トマトとミントの組み合わせは、熱い夏を想像させますが、シチリアにはミント風味の料理がたくさんあります。
トマトとミントのメッゼ・マニケMezze maniche, pomodori e menta。リチェッタは、(CIR8月号P.5)。
このパスタ、トマトはダッテリーニのパッサータ。ミントはピーナッツオイルに熱しながら浸してミントオイルにします。
パスタはこのオイルとトマト、水少々を加えながらリゾッタートにします。
かなり一般的なトマトソースとは違う作り方。

次は、ズッキーニのミント風味のパスタ。
ズッキーニ、ミント、ペコリーノのパスタPasta zucchine menta e pecorino


材料/
トルティリオーニ・・400g
ズッキーニ・・400g
にんにく・・1かけ
ペコリーノ・・80g
ミント・・2枝
EVオリーブオイル、塩、こしょう

・油大さじ2~3ににんにくを入れてソッフリットにする。
・半月切りにしたズッキーニとミントを加えて歯ごたえが残る程度に柔らかくなったらにんにくを取り除いて火からおろす。
・パスタをゆでる。
・ズッキーニに塩とパスタを加えて火にかけてなじませ、火から下しておろしたペコリーノとミント、こしょうを加える。
・皿に盛り付けてペコリーノとこしょうを散らす。

バリエーションはズッキーニを揚げたり、シチリアのケッパーやピスタチオを加える。仕上げにレモンの皮とパルミジャーノを散らす、など。

その時畑にある材料で作るシンプルなパスタ。

もう一つ、ミント風味のシチリアのパスタは、
メカジキとミントのパスタpasta con spada e menta



材料/4人分
パッケリ・・320g
メカジキ・・500g
ミント
丸なす・・1個
にんにく・・1かけ
EVオリーブオイル、塩、こしょう
ブランデー、
トロペアの赤玉ねぎ・・1/2個
バジリコ
白ワイン・・135g
パン粉・・150g
イタリアンパセリ

・メカジキを角切りにする。
・フライパンに油とにんにくを熱し、イタリアンパセリのみじん切りとミント少々、塩、メカジキ、こしょうを加える。
・にんにくを取り除き、ブランデー1/4カップをかけてフランベする。
・トロペアの赤玉ねぎを輪切りにする。
・ミニトマト(ダッテリーニ)300gを小角切りにする。
・メカジキのフライパンに油を足して玉ねぎを炒める。塩、こしょうする。
・ミニトマト、バジリコとミントのみじん切りを加えて20分煮る。
・白ワイン1/2カップを加えて火を強め、さらに20分煮る。
・その間にパン粉を炒める火から下して油少々を加える。
・なすを小角切りにして油で揚げ、シートに取って油をきる。
・トマト、メカジキ、なすを混ぜる。
・ゆでたパスタを加えてマンテカーレし、皿に盛り付けてバジリコとミントを加える。

おまけのリチェッタはカボチャのアグロドルチェ風味。
カボチャのフリットの甘酢漬けですが、この料理の風味づけにミントはぴったり。ほかに、黒オリーブやににんにく風味などのバリエーションがあります。
カボチャのシチリア風甘酢漬けZUCCA IN AGRODOLCE ALLA SICILIANA。

ところで、今月の(CIR)にはトマトソースのパスタの記事があります。
この料理はトマトがポイントと言うのはよくわかりますが、麺の太さも重要だったなんて、考えたこともなかったです。
この話は次回。

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ラクイラのサフランの産地、ナベッリでは、ミラノ風リゾットができたのはナベッリからミラノに行った職人の母親のおかげという話が、かなり出来上がってた。

ロンバルディアでサフランを栽培したいという農家の強い願いが実現しつつある、という現実を知ってびっくりしましたが、イタリアでサフランの産地として知られるのは、アブルッツォやサルデーニャなど。 サルデーニャは雨が少ない乾燥した気候。サルデーニャの有名な作り手は、サフランをきれいに摘む...